杉の魅力を発信して行った先に描く未来像とは

目次 伯光/Metsugi Norimitsu

伯光刃物製作所(千葉)

    最終目標と中期計画

    最終目標

    ✅ 杉の木本来の良さを認知・普及し、手仕事、木工文化、ひいては日本の林業に経済的好循環を再構築する

    中期計画(3年計画)

    1年目

    ・杉材を美しく仕上げることができる新型鉋の刃/台等の製作方法に関する研究の詰め

    ・杉の魅力を発信しやすい杉製小物製品の開発と市場性のリサーチ

    2年目

    ・杉小物製品の製作者の掘り起こしと販路開拓

    ・杉材の新型鉋仕上げによる内装リフォームなどの建築関係での利用促進と実務に当たる職人育成

    3年目

    ・杉を使った建築関係の仕事と、その端材等を活用した杉小物製品(魅力アピール部隊)づくりの輪を拡大

    ・杉の新型鉋仕上げによる製品/建築を手掛ける職人のネットワークを構築し、利用者が出会える仕組づくり

    ・この事業が50年、100年…と連綿と続けられる組織づくりの摸索と後継者育成

    研究概要

    杉を超美しく仕上げることができる新型鉋「クロムコーティング鉋」を道具に、杉が本来持っている良さを最大限に活かす木材乾燥装置「愛工房」とのコラボを進め、杉の良さを広めて行く

    小物製作を通じて、杉の持つスバラシサを大衆に知らせつつ、住まいに愛工房乾燥×クロムコーティング鉋仕上の杉を使う流れを作るという事業を行う

    👆 愛工房乾燥杉材の腰板 クロムコーティング鉋仕上げ/クロムコーティング鉋と杉の鉋くず

    この事業によって解決する可能性のある問題と、訪れるワクワクする未来像とは…

    ✅ 日常の目にふれる、手に触れる部分に超美しく、超手触りがよい杉製品を取り入れることによって、暮らしに精神的な豊かさをもたらす

    ✅ 杉の柔らかな質感と暖かさ、良い香り、精油成分による鎮静作用で落ち着く、リラックスする、よく眠れる家(部屋)に暮らせる

    ✅ 杉本来の精油成分による防虫・防腐作用・抗アレルギー作用などを活かし、薬剤を使用しない無垢の杉材を建材として使用することで、今の新建材で作った家(の化学物質・防虫剤・防腐剤)に起因して増えているのかもしれないシックハウス症候群やハウスダスト等のアレルギー、発達障害(脳機能障害)などが減少若しくは解消できる可能性がある

    👆 愛工房乾燥杉材の出窓窓枠 クロムコーティング鉋仕上げ

    ✅ 職人が人間らしい手仕事で仕事ができて,腕を磨けば正当に評価される社会になる

    ✅ 発達障害や、身体的な部分的な障害がある人、引きこもりがちな人たちでも、鉋一つ使いこなせるようにさえなれば、杉の小物づくりで自宅で一人でも無理なく自立生活が営めるくらいの収入が得られる仕事ができる。それができるようになると、社会との接点ができ、技能修得に自信が持てるようになり、他の技能修得にもプラスの作用を及ぼし、社会に通用する技能者への道が開かれると予想される

    ✅ 現在急増中の「発達障害」の原因の一つに、新建材にも使用されているネオニコチノイド系殺虫剤による脳機能障害の可能性を指摘する議論がある。
    仮にもしもそうであった場合、住宅内の化学物質を含む「悪い空気」を吸い続けて被害を受けた人たちにとって、毎日杉を鉋で削って、杉の精油成分を含む「良い空気」を吸いながら仕事をすることで、何らかの良い影響が出る可能性は有るのか?無いのか?
    もしあったら素晴らしい。

    ✅ 杉の価値が見直され,正当な価格で取引されるようになり日本の林業が再構築される

    ✅ 山の手入れが進むと、杉花粉症も軽減若しくは収束する可能性がある(杉花粉症は、密植されたまま手入れされなくなって瀕死の杉たちからの人間に対するSOSのメッセージ?)

    ✅ 山の手入れが進むと、台風などによる倒木が減り、大停電や土石流、洪水などの災害が起きにくくなる

    ✅ 山の手入れが進むと、山の土壌から豊富な栄養分が運ばれ、河川が蘇り、田も肥え、海の魚も戻って来る

    ✅ 「愛工房」が各地に設置され、乾燥中の杉と一緒に人間が入る「杉浴」が大衆化する
    「杉浴」で癌が消えたという実例が、これまでに2人。
    もしも〈杉浴で癌が治ってしまう〉ということに高い再現性があるとなれば、今や2人に1人が癌で亡くなるという日本における医療と、健康寿命に明るい光が差し込むことになる。

    ✅ 「愛工房」に地域の人が集まり、「杉浴」をしてリラックスしながら、森羅万象を語り合う場を全国各地に作る。アメリカ合衆国建国草創期におけるベンジャミン・フランクリンの「ジャントークラブ」のような創造的な集まりを杉浴をしながらできる拠点にする。そこから、それぞれの地域をおもしろくしていく知恵が生まれ、特色ある地域社会が花開いて行く。

    長期ビジョン(まとめ)

    これが、現在目次がイメージする杉を超美しく仕上げることができる手鉋を使った仕掛けから始まる「ワクワクする未来像(長期ビジョン)」である。全ては「仮説」だが、これらの「仮説」が現実となって行くのかどうかを研究課題としつつ、新型鉋と杉材利用の普及を目指して活動していく。
    このビジョンを実現するために、魅力的な杉製品をどんどん開発して世に出して行くことをこの事業のミッションとする。そのとき意識することは、日本マクドナルド社や、戦後GHQが学校給食で行なって「成功」したことをマネする。すなわち〈子どものときに覚えた味を,その人は一生食べ続ける〉→〈子どものときに覚えた杉の気持ち良さを、その人は一生求め続ける。つまりは、ゆくゆくは杉本来の良さを活かした「木造都市」を日本人が作って行くようになるだろう〉という仮説が長期において実現することを想定して、主に子ども、若者の日常に〈超気持ちいい杉製品〉を普及させることを中心に考え、この事業を進めていく。

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