実現したい未来への挑戦

  • 100年先も先も必要な時に必要な医薬品をつかえるような世の中を作りたい
  • 活力ある未来を後世に残していきたい
湯沢

湯沢 哲至
東京農工大学大学院工学府 生命工学専攻 Vavricka 研究室

プレゼン資料

当財団で助成選考委員会を開催した際の資料となります。

最終目標と中期計画

最終目標

現在、化合物合成はエネルギーを大量に用いる合成法や希少金属に依存している。数百年後も持続的な化合物合成を維持するために、従来の生体触媒の問題を解決し更なる社会への普及と未来への資源の保存を目指す。

中期計画(3年計画)

1年目:基盤技術を整備し、反応性を評価する
  • 人工酵素の設計および構造モデリングを深層学習と分子動力学シミュレーションを用いて評価し、基質の結合・変換に適した酵素のポケットの設計を行う。
  • 簡易なモデル蛍光化合物を用いて、人工酵素の反応性をハイスループットに評価する系の構築を行う。酵素の発現や生成物のアッセイなど、再現性のある実験条件を確立する。
2年目:反応の高度化と選択性の向上の検討

非天然の反応に対応した酵素設計を行い、活性部位の再設計と変異体ライブラリの構築を進めることで、より多様な反応に対応できる酵素の開発を行う。

  • 酵素ポケットモデリングを基に反応選択性や立体選択性の高い人工酵素を選抜し、触媒活性を向上させる条件、および安定して発現できる条件の最適化を検討する。
  • 蛍光によるリアルタイムアッセイにより、効率的に有望な酵素変異体を選抜する。
3 年目:応用展開と社会実装への橋渡しを進める
  • 開発した酵素を応用し、難しいC‒N 結合形成やペプチド医薬品合成など、より広範な反応への展開を試みることで、人工酵素の汎用性を高める。
  • 小スケールでのプロセス化と反応安定性の評価を行い、実用化に向けた酵素の耐久性・再使用性を検証する。
  • 企業や産業界との連携体制を構築し、社会実装に向けた共同研究の立案や技術移転の可能性を探る。